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リサイタルの題は“炸裂する色彩”。(スクリャービン生誕150周年記念リサイタル)
今年生誕150年を迎えるロシア出身の奇才作曲家、アレクサンダー・スクリャービン。斬新かつ個性的な響きを持つ作品の数々は今なお私達を魅力し続けている。そんな彼の作品の中から、今回は前期作品の集大成とも言えるピアノソナタ第3番と、中期の大作であるピアノソナタ第5番の2つを取り上げる。
恋人との結婚を家族に反対されていた20代のスクリャービンが、恋の甘い感情と共に結婚反対への怒りや葛藤をRockの如く衝動的に発露したソナタ第3番“心理状態”。そして30代で作曲され、彼独自の宇宙観や哲学、官能的なニュアンスが織り交ぜられたソナタ第5番。この2作品を通して、奇才スクリャービンが生み出した重層的な内容を持つ私的世界と“色彩感のある和声”を堪能して頂ければ幸いである。