好評のシリーズ「アート・ジャーナリズムの夜」第3回目となる今回は、Z世代にあたる全国の美大生6人をゲストに招いて、今後10年の間に生まれる何かについて言語化して議論します。
Z世代は大人たちの身勝手な期待に苛まされている、という言い方が大げさであれば、先行きが不安定だからこそ、大人たちは若手に過剰な期待をかける。その最新版が2000年前後生まれを中心としたZ世代です。美術界においても、2020年代は彼らが続々とデビューし、これまでの世代とは異なる存在感を放っていくことになるでしょう。ただし、彼らを待ち構えるのは、必ずしも表現者にとって生きづらい世の中ではありません。たしかにコロナ禍のアートバブルやNFTほかアートコレクターの新興を促すサービスの登場によって、若手作家も含めた作品の売買機会は増えていくことが予想されます。その点、彼らが経済的にサバイブする可能性は高まるでしょう。しかし、2014年以降、表現の自由に対する規制、またあいちトリエンナーレ2019の「表現の不自由」展の炎上、組織運営の杜撰さを物語るハラスメントの多発、これらはZ世代にとって悪しき先行例として見えているはずです。こうした時代、そして美術の状況に対して、彼ら自身は何を思い、あるいは適切に無視をして、どんなストーリーを組み立てようとするのか。
一見、蛮勇にも思える企画ですが、あらゆる新しい語りは、はじめすべて蛮勇に映ります。10年後に答え合わせをしてみる、そんな時が来るかもしれません。
ぜひ、当日は会場へのご来場、オンラインでのご視聴をお願いします。
なお、蔓延防止の場合は、オンライン配信のみとなります。
■登壇者プロフィール
・ゲスト
内田恭平(うちだきょうへい)
東京芸大日本画科学部1年在籍。1998年まれ。
小西夏実(こにしなつみ)
名古屋造形大学洋画コース3年生。2000年生まれ。
國分莉佐子(こくぶりさこ)
東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻4年。Painter・Artist。1999年生まれ、東京都出身。
杉本千夏(すぎもとちなつ)
金沢美術工芸大学 製品デザイン専攻2年。2000年生まれ。兵庫県神戸市出身。
武本瑠香(たけもとるか)
京都市立芸術大学 大学院油画専攻。1998年生まれ。
水野幸司(みずのこうじ)
東京藝術大学 美術学部 先端芸術表現科2年在籍。2000年生まれ。
・ホスト
南島興(みなみしまこう)
横浜美術館学芸員。1994年生まれ。東京藝術大学大学院美術研究科修士課程修了(西洋美術史)。